「採用代行・アウトソーシング」の活用準備
導入目的の明確化
採用アウトソーシングをうまく活用するためのポイントとして、まずは「活用目的の明確化」があげられる。何を目的として採用アウトソーシングを導入するのか(コスト、業務品質、ナレッジの活用など。すべてであれば、その優先順位)を十分に確認しておくことであり、またそれを採用アウトソーシング会社側にも明確に伝えておくことが重要になる。
導入目的を明確にすることの意味は言うまでもないだろう。明確でなければ、採用計画の中にアウトソーシングをどう位置づけるのかが定まらないし、採用活動の成否に関する検証や評価もできなくなってしまう。
また、それを伝えることで、アウトソーシング会社側も最適のプロジェクト(スタッフの配置、業務フローの決定など)で対応できるようになる。
委託業務範囲の決定
次に、具体的に採用実務の「どの部分をアウトソーシングするのか」を決定し、採用アウトソーシング会社側とすりあわせていく。つまり自社と採用アウトソーシング会社のそれぞれの役割分担や責任範囲を決めるということだ。これによって最終的な見積もりも確定するので、予算とのバランスを確認していく。
報告・承認ラインの決定
アウトソーシングを運用しはじめると、当初は予期せぬ問題が次々に出てくるもの。また、新卒採用自体が市場動向などによって流動的な要素もあり、最初に決めた計画通りに進まない可能性も十分に想定しておかなくてはならない。
そこであらかじめ、問題が発生した場合の報告や承認のプロセスを用意しておくことが大切だ。お互いが「分かっているだろう」と判断してそれぞれで動いていると、小さいことから信頼関係が崩れてしまうような事態にもなりかねない。定期的な報告の頻度も「週1回」などと明確に決めておくことが望ましいだろう。
特に「承認」という部分は、委託企業側で「責任ある意思決定ができる担当者」を決めておくことが不可欠となる。重要な最終決定や社内への根回し、他部門への協力要請などは採用アウトソーシング会社にはできないため、丸投げのような状態になると、それが原因で採用プロジェクト全体の成否にかかわる問題へと発展することになりかねない。
【資料】採用アウトソーシング導入に向けてのチェックリスト
- 導入目的は明確か
- 複数の導入目的がある場合は優先順位がつけられているか
- 複数の採用アウトソーシング会社からの提案を聞いて比較検討したか
- 自社の目的にあった強みを持つ採用アウトソーシング会社を選んでいるか
- 自社内で行う業務とアウトソーシングする業務は切り分けできたか
- 見積もりには必要な項目がすべて含まれているか
- 予算の範囲内に収まっているか
- 問題発生時の報告・承認ラインは明確か
- 責任のある判断を下せる担当者を決めたか