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「採用代行・アウトソーシング」企業の選定

では、数ある採用アウトソーシング会社の中でどの企業を選べばよいのか。基本的には、「活用にあたっての準備」でも述べた「導入目的」に見合う強みを持った採用アウトソーシング会社を選ぶことだろう。たとえば、「採用の質を上げる」ことが目的であれば、コスト面よりも品質やノウハウに強い企業を選ぶべきである。

しかし、有力な採用アウトソーシング企業の場合、サービス内容やコストなどが大きく違うことは少ない。そこで、採用を成功させるために必要な要件として以下のようなポイントに留意して選定を進めるのがよいだろう。

  • 実績があり、業界内や利用企業からの評価が高い
  • スタッフの質が高い(管理、育成をきちんと行っている)
  • 業務マニュアル、対応マニュアルなどが整備されている
  • 見積もり内容が分かりやすく、納得できるコストである
  • 業務遂行に関するフィードバックを定期的に行い、必要な状況分析や提案ができる
  • 営業担当のフォローが丁寧(改善要望などにきちんと対応してくれる)

特に重要な業務品質は、「サービスレベル保証書」のような形式で、提供可能な業務品質を文書化して契約書に添付することが一般的となっている。これは、応募者からの問い合わせには「○時間以内に回答する」などと数字で明記したものだ。

同様に、業務報告もきちんと数字で出せることが必須条件といえる。エントリー者のうちの何パーセントが説明会に出席したか、さらに説明会出席者のうち何パーセントが面接に進んだかといった「率実績」はもちろん、採用競合との比較データなども出せることが望ましい。

もう一つ留意すべきなのは、採用アウトソーシング業界では、サービスに対する標準的な価格体系が特に決まっているわけではないということだ。採用プロジェクトごとに業務内容、期間、規模などが異なり、オーダーメイドに近い形で見積もりをすることが多いためだ。 従って、複数の採用アウトソーシング会社から見積もりを取ったら、どこまでの業務が含まれた見積もりなのかを十分に確認してから比較することが重要になる。同じ名称の業務でも、ある企業では基本的なサービスとして行っているが、別の企業ではオプションになっている可能性もあるからだ。

新卒採用は毎年行われるものだけに、長期的に良好なパートナー関係を築いていける採用アウトソーシング会社を見つけることは重要だ。採用アウトソーシング会社も、一社とのつきあいが長くなるほど企業理解が深まり、より良い採用サポートができるようになる。こうした好循環が続いていけば、よりよい採用を通じて企業の組織自体も強化されていくのではないだろうか。

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企画・編集:『日本の人事部』編集部

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