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「新卒採用」の注目ニュース

『2022年度(23年卒版)新卒採用・就職戦線総括』を発表

[2022.09.28]

VUCAの時代を生きる学生は「安定性」を求める割合が増加
「安心して働けるか」が選社のポイントに
企業は学生の配属先についてのこだわりや価値観にあわせた対応が求められる

 

株式会社マイナビ(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:土屋芳明)は、2023年卒業予定の学生を対象とする、企業の採用活動と学生の就職活動および、今後の展望などをまとめた『2022年度(2023年卒)新卒採用・就職戦線総括』を発表しました。概要は以下の通りです。
 

<2022年度(2023年卒)新卒採用・就職戦線の主な特徴総括(一部抜粋)>

・企業の採用意欲回復を受け採用競争が激しくなり、採用充足率が低下傾向に
採用予定数は「前年並み」が最多で69.3%、「増やした」が22.1%(前年比6.1pt増)で、コロナ禍前の20年卒からの4カ年で比較すると、採用意欲が回復してきている。その結果、企業側の競争が激しくなり、6月時点の採用充足率は前年よりもやや低下している。なかでも、インターンシップ・ワンデー仕事体験を実施していない企業は充足率0割が45.4%と厳しい状況となっている。
 

・23年卒の内々定率はコロナ禍前を上回る水準で推移し、複数内々定保有者も増加
23年卒の内々定率はコロナ禍前である20年卒を上回る水準で推移し、5月末時点で65.5%だった。複数内々定を持つ割合も増加し、内々定保有者のうち「2社以上」内々定を保有する学生は59.6%で20年卒を上回っている。全体的に企業の採用意欲が高まっていることや、インターンシップ・ワンデー仕事体験で学生と企業がより早いタイミングで接触したことにより、選考解禁にあたる6月より前に採用選考や内々定出しが実施されていたためと推測される。
 

・VUCAの時代を生きる学生は「安定性」を求める割合が増加。「安心して働けるかどうか」が企業選びのポイントに
「企業選びのポイント」は、コロナ禍の影響を受け始めた21年卒以降「安定している」が増加し、23年卒では43.9%(前年比1.1pt増)だった。2010年代以降は予測不可能なVUCAの時代と言われてきたが、コロナ禍でさらにその不透明さが増し、少しでも安定性を求める気持ちが高まっているようだ。企業に対して「安定性」を感じるポイントを聞いたところ、「福利厚生が充実しているかどうか」が最多で53.3%だったが、そのうち「最もあてはまるもの」一つに限定すると「安心して働けるかどうか」が最多となった。一般的に、「安定性」とは経営の基盤が安定していることを指すが、学生にとっては、自分自身が働く場として安心できるかを見ているようだ。
 

・男子学生の育休取得意志は向上。学生の配属先についてのこだわりや価値観にあわせた対応が求められる
育児・介護休業法が改正され、2022年4月から段階的に施行されることで話題の「男性育休」だが、「育児休業をとって積極的に子育てしたい」と回答する男子が年々増え、回答割合の男女差がこれまでで一番小さく、その差は1割未満となった(男子59.9%、女子68.0%)。また、ジョブ型雇用導入の是非が議論されているが、新卒採用においても「配属ガチャ」という言葉が使われており、配属先を会社に決められるのではなく「自分で選びたい」という学生が半数を超えている。学生は柔軟な思考で価値観をアップデートしており、企業側もそれを加味した対応が求められるだろう。
 

・逆求人型やリファラル採用など採用手法は多様化。特に「WEB面接」「職種別採用」は拡大
23年卒の新卒採用を実施した企業に採用手法として「実施したもの」「今年初めて実施したもの」「今後してみたいこと」を聞いたところ、「今後してみたいこと」として「対象者の拡大(既卒者、U・Iターン学生)」や、「手法の拡大(逆求人型、リファラル採用等)」の回答がみられ、「職種別採用」も23年卒で実施した割合が増加している。

 

<担当者コメント>
新型コロナウイルスが流行する中の日常生活に慣れつつある2022年、新卒採用においてもコロナ禍3年目の活動を迎え、企業も学生もウィズコロナの採用選考にほぼ対応できている状態だといえます。コロナ禍はいまだ収束していませんが、経済活動の回復とともに企業の採用意欲は向上し、内々定率も高水準で進捗しており、複数内々定を保有する学生が増えたのが23年卒の特徴だといえます。一方で、企業側の競争は激しくなり、内々定出しを行ったあとも「入社する1社」になるための内々定者フォローが求められています。
WEB活用だけでなく、コミュニケーション手段が変わったことで情報提供のあり方が見直され、新卒採用においても「学生個人と企業」という関係性から「学生個人と仕事内容や職場」との関係性としてとらえる動きも見られます。自分の人生やキャリアは自身で主体的に決めたいという昨今の学生の価値観をくみ取りながら、最終的な意思決定の際にどれだけ透明性のある対話ができるかが鍵になると思われます。

株式会社マイナビ キャリアリサーチラボ 主任研究員 東郷こずえ

 

◆本リリースの詳細は、こちらをご覧ください。
(株式会社マイナビ/9月21日発表・同社プレスリリースより転載)

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